子連れ出勤

子連れ出勤制度は迷惑なのか。政府の補助金や満員電車への対応などいろいろと考えるべきことはありそうです。

海外での子連れ出勤はどれくらい進んでいるか

海外での子連れ出勤の話になると出てくるのがニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相ではないでしょうか。第1子の女児出産に伴う6週間の産休を終えて現在は職務に復帰してますが、首相でありながら育休を取るのですから、子連れ出勤も視野に入れているのではないかと思われます。

また欧州議会の議員を務めるリチア・ロンズーリも2010年、生後間もない娘さんを議会に連れていきました。現在も子連れ出勤を続けているそうです。

国のトップである首相や議員が子連れ出勤をするとかなりマスコミからは注目されると思われます。日本でも熊本の女性議員が子連れ出勤をしたというニュースがありました。一般の企業では子連れ出勤をしたからといって報道されることは少ないでしょう。そしておそらくNZ首相もイタリアの議員もある程度それをわかった上でやっているのではないかと思われます。

現にイタリアの議員リチア・ロンズーリは子連れ出勤した際に注目されたことに対してこんなコメントを残しているそうです。

「これまで欧州議会で子育てに関する問題に取り組んで来た。ただ、それについてメディアは無関心。なのに子供を連れてきたら途端に注目してきた。変なの」

メディアとはそういうもの、、と言うこともできますが、確かにこれは何か変な気もしますね。もう少しメディアの役割とは何か、ということを考えてみてもいいかもしれません。ただ、メディアもビジネスですから、注目がより集まることを報道したいと思うのは当然かもしれません。リチア・ロンズーリはそういった部分を逆手にとっているのかもしれません。

そういう意味では子連れ出勤含めてしたたかさをもった戦略というのも少しは必要になってくるかもしれません。

 

子連れ出勤に政府の補助金は成功するか

子連れ出勤について政府は前向きなようです。自治体向けの地域少子化対策重点推進交付金の中で新たに重点課題と位置づけ、補助率を従来の2分の1から3分の2に引き上げる方針と言われています。これは成功するでしょうか。

成功の可能性は低いかもしれない

政府の補助金があるから子連れ出勤をOKにしよう。経営者がこう考えた場合はあまりうまくいかないのではないかと思います。同じような施策に、女性の役員、管理職を一定割合以上に、といったものがあります。あれと同じです。政府が決めたから、政府からの補助金があるから、というのはある意味安易な考えであり、本当に必要かどうかというところについての考察が不足してしまう可能性があります。

女性役員、管理職の場合、本当に能力のある人であれば女性であろうと男性であろうと役員や管理職になるわけです。でも政府が一定割合以上を女性にと決めたから、、、といった理由で無理矢理まだ実力がない人が管理職になってしまったら、会社にとっては損失になってしまうかもしれません。

同じことが子連れ出勤に対する政府の補助金です。本当に子連れ出勤対応が必要なのか。必要であればどのようにしたらいいのか、ということが練られた上で、補助金の申請をして欲しいものです。企業側の思考停止とならないことを期待したいですね。

 

子連れ出勤専用車両ができるかも

子連れ出勤で気になるのが電車はどうするの?ということです。特に朝の通勤ラッシュの場合は満員電車の問題があります。あの中に子供と一緒に乗ったら、小さい子供は押しつぶされてしまうかもしれません。赤ちゃんだったら泣いてしまい、周囲からうるさい!って起こられるかもしれません。でもこれもいろいろと社会としての対応が考えられますよ。

時差通勤

まずは小池百合子都知事も確か推奨していた時差通勤です。どうして全員が同じ時間帯に会社にいかなければならないのか。少しずらしてもいいはずです。早めに行く人、遅めに行く人がいてもいいはずです。今やスマホを1人1台以上持っているわけですから何かあったらちゃちゃっとスマホで連絡もできますからね。

リモートワークの推進

そしてリモートワークです。全員同じ時間帯に会社にどうしていかないといけないのか、という疑問と同じく、全員オフィスに行かないといけないのか、という疑問があります。それも毎日。顔を突き合わせてないとできない仕事もあるかもしれませんが、それも毎日同じ時刻である必要はないはずです。

さらに最近はテレビ電話ツールもたくさんあります。FacebookメッセンジャーGoogleハングアウト、Zoomといったテレビ電話のツールを使えば、海外にいたって打ち合わせが簡単にできます。週1回はオフィスに行く、顔を合わせて話をするといった形にして、それ以外は自宅からのリモートワークというのも十分にできる時代になってきましたね。出勤する人が減れば満員電車も減るでしょう。

子連れ出勤専用車両

そして、最後は子連れ出勤専用車両です。そんなばかな、と思うかもしれませんが、女性専用車両だってあるわけです。小池百合子都知事は2階建て電車を作るらしいですので、是非その一部を子連れ出勤専用車両にして欲しいものです。子連れ出勤専用パスみたいのを作って、それを持ってないと子連れ出勤専用車両には乗れないとしてみてはどうでしょうか。子供にもパスを持たせておけば、より運用としては確かになるかもです。

赤ちゃん連れの親御さんであれば、子連れ出勤専用車両はかなり安心して乗れます。子供がぐずったらとか、赤ちゃんが泣き出したら、といったことに対して、同じ子連れであれば理解を得られるからです。

 

社会が変わっていく時代ですので、是非いろいろなアイデアを出しつつよい社会にしていけるといいですね。

 

子連れ出勤が迷惑に欠けてる考え方は?

k子連れ出勤は迷惑なのでしょうか。

結論から言うと迷惑と言ってもいいかもしれません

のっけから結論ですが、迷惑か迷惑じゃないかというと迷惑になるのでしょう。他の言い方をすると、仕事の効率が上がるか下がるかでいうと下がるでしょう。子連れ出勤ということは当然子供が職場にいるわけで、つきっきりとは言わないまでも何かしら世話をしたりするかもしれません。世話をしなくていいかもしれませんが、声がうるさかったりして、親はもちろん職場の他の人達の仕事の効率は落ちる可能性が高いでしょう。特に子連れ出勤を始めた直後などはその傾向が顕著に出る可能性は高いでしょう。

しかし、今後は増えていくでしょう

とはいってももう共働き世帯が増えているのは既知の事実ですし、保育園などが不足しているというのも同じく事実です。そういった状況や働き方改革といった状況も踏まえると、今後子連れ出勤は増えることはあっても減ることはないかもしれません。会社としても優秀な人材を引き止めるための施策として子連れ出勤を制度化するかもしれませんし、CSR、コーポレートソーシャルレンスポンシビリティー、会社の社会的責任といった形で導入を考えるところも出てくるでしょう。

働き方を再度考えよう

となると、後は子連れ出勤って迷惑だなー、って声を上げたところで、仕方がないので、どのように対応していくのがいいのか、ということを考えていきましょう。ポイントは働き方の再考です。

これまで仕事場と家は全く別のものと考えている人が多かったかもしれません。少なくともサラリーマンはそうですよね。だから職場に家の事情が入り込むと少し戸惑ってしまうのです。仕事はON、家はOFF。そういった考え方をしていたかもしれません。

しかし、これからはそういった考え方も変えていく必要があるかもしれません。既に自宅勤務、リモート勤務という働き方もあります。この場合自宅は職場であり自宅です。自宅で働いている人が子供が邪魔だ・・・とは考えないでしょう。逆に子供が目に届くところにいるので、安心して仕事ができる。そう考えているのではないでしょうか。

場所の概念を変える

これまでは仕事場というのが会社によって用意されているのが当たり前でしたが、これからはそうではない働き方はどんどん増えていくでしょう。これえまでは個人が会社に合わせていただけなのです。今後は会社が個人に合わせるようになることが増えます。そうすると場所の概念も変わってきます。仕事場は仕事をする人が毎日集まる場所だったのですが、それが、必要な時に集まる場所、ということになるのです。そうなるとオフィスを持つ必要がない企業も出てくるでしょう。

子供と対話する

そうはいってもオフィスがある企業も多いです。そういった企業で子連れ出勤についてどのように対応していくか。一つは子供との対話です。あまりに小さい子供は対象外ですが、ある程度会話ができる年頃の場合は、自分の仕事場を見せることはプラスに働かせることができます。そして子供にわかるようにどうして働いているのか、どうして仕事をしているのか、どうしてこの職場を選んだのか、ということを子供と対話してみてください。

子供は難しい話はわかりませんので、ものすごくシンプルな話にしなくてはなりません。これが非常に有効だと思うのです。あたかも自分自身と対話をしているような気持ちになるかもしれません。本当にその職場で働かなくてはいけないのか、ということを見つめなおす機会になるかもしれません。

子連れ出勤をするのは誰?

さらにこの議論で欠けているのかもと思うのは、子連れ出勤するのが誰なのか、という視点です。もしかして女性という前提になってしまっているのではないでしょうか。しかしそこもよく考えていく必要があります。男性が子連れ出勤をしてはいけない理由はありませんし、もし男性側が大きな会社に勤務していたら、子連れ出勤対応が可能な余裕がある会社である可能性だって高いはずです。

まとめ

子連れ出勤は今後増えることはあっても減ることはないでしょう。そうなってくると、どのように対応したらいいか、ということを今のうちから考えておくのがベターです。家族のあり方が変わっているのと同じように仕事のやり方、働き方も今後どんどん変わっていきます。変わっていくことに対して悲観することは簡単ですが、それよりも楽しんでしまうことの方が楽です。是非チャレンジしてみてください。